ふるさと納税が盛んにお得情報として流れていますが
先日知人との会話で
なんか違うぞ、と思ったのでその感想を。
友人の言い分はこうだ
「ふるさと納税をやって普段は飲まないビールとか普段食べないご当地のおいしいものがタダでもらえてラッキー。近所にも配れるしとても良い。よく分からないけどこれで節約になってるらしいからやらない人は損している。」
ふるさと納税は無条件に節約になるわけでも贅沢してお得になるわけでもない
ふるさと納税の仕組みを知っておけばこのような誤解は無いように思うのだが……。
ふるさと納税は<寄付>であることを理解しておく必要がある。
基本的な考え方は
寄付をしたから少し税金を控除してね
というもの。
支払う税金が減額になるだけなのだ。
ふるさと納税の場合は限度額が所得に応じて設定されていて
限度額内であれば寄付した金額から2000円引いた金額が控除される
例えば、限度額が30000円ならば28000円が控除される。
これだけだと少し分かりにくいかもしれない。
年単位で考えると分かるようになる。
そもそも税金の額は前年の収入で決められる。
例えば
2021年の税金額は2020年の収入で決められる。
この時、2020年にふるさと納税をしていて、限度額30000円だとすると
30000円分の寄付から2000円を引いた28000円分の税金が
2021年の税金から控除される。
これは
2020年に自治体に寄付したのでその分2021年の税金を控除してね
という請求ができることを意味する。
2020年の寄付のおかげで
本来2021年に支払うはずだった税金を少し減らすことができるわけだ
ただし、2000円は負担しているので
このままだと2000円分の損になる。
ではなぜふるさと納税が注目されているのか。
返礼品だ。
これがなければ2000円の損になるが、
返礼品のおかげで得になる可能性が出てくる。
鋭い読者はお判りだろうが
返礼品が2000円以上の価値を持っていればその分お得なのだ。
返礼品の種類は多岐にわたっていて
食品から家電、サービスなど様々である。
そのため、
・壊れた家電を買い替える際に返礼品を利用する
・普段食べているものを返礼品としてもらう
というような使い方をすれば実質2000円の負担となるので節約になるのだが
贅沢品に使ってしまうと意味が変わってくる。
旅行に行く代わりにご当地グルメをもらうとか
贅沢する日に合わせてふるさと納税を使うとか
であれば節約にもなっているのだが
普段は消費しないものをわざわざ返礼品としてもらってしまったり、量のあるものをもらって周囲に配ってみたりしていては節約にならない。
さらに2000円負担しているのだから、自治体にお金を配り、返礼品を過剰に消費してしまうとても良い人になっている。
節約目的であればこうなってはいけないので
ふるさと納税は
2000円で買っている、くらいに思って置くのが良い。
ちゃんと選べば2000円よりも価値のあるものを返礼品としてもらえるが、選び方によっては2000円分に届かないこともあるので注意が必要だ。